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幕の間の出来事31: 近代日本美術の行方
 


作品の魅力をわざわざ言葉にすることを日本人は避けてきたのではないかと思います。決して言葉がないのではなく、それが日本独得の美学なのではないかと思います。そのためか、日本には美術批評や美術史という学問があまり根付いていないような気がします。

昔の文化人はきっと個人個人が美術品を評価する力が十分あったので、ずっと長い間、日本の美術は後世へと無事に伝えられたのだと想像します。けれども近年、日本は美術を後世に残す術を失いつつあるのではないでしょうか。それが良いことなのか、悪いことなのか、誰にも分からないことです。当館は当館の信じる作品の展覧会をできる範囲で開催し、行く末を見守っているところです。

尚、美術館というと「公共の施設」というイメージが強いかもしれませんが、当館は公的資金も援助も免除も一切頂いておらず、限られた範囲でのみ活動しておりますこと、ご理解頂ければ誠に幸いです。

 

 
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