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幕の間の出来事26:森 芳雄
 


森芳雄(1908−1997)は戦後日本の洋画界を支えた画家の一人で、当館館長も交流がありました。体制や組織のために絵を描くことは決してせず、どんな状況下でも主体性というものを重視して描き続けた画家であったそうです。当時の日本でそのように生きていくことの厳しさは、今では想像し難いことだと思います。 戦前・戦後の日本人画家たちと親しく交流し、その作品を評価した美術評論家・今泉篤男の著書に度々でてくるエピソードがあります。それは戦後、焼け出されて疎開していた山形から東京に戻ってきたころ、森芳雄と山口薫が今泉篤男のところを訪ねてきた時のことだそうです。普段は忠告めいたことを言わない山口薫が「いま俺たちがここで勉強しなければ腕がなまる」と森芳雄を激励したそうです。戦後しばらく絵を描かなかった森芳雄が再び本格的に制作を始めたのはそれから更に数年後だったそうです。

気をつけなければいけないのは、経済的、対社会的に自由な立場になった時。
妥協を排して、主体的に描きたい。感動と魅力に縁のないことはしたくない。
私は一生かかって美への憧れに向かって歩いている。

森 芳雄 (『森芳雄素描集』彌生画廊1981年より)

 

展覧会名:牛島憲之・森芳雄・脇田和 油彩展
会   場:資生堂アートハウス 静岡県掛川市下俣751−1
会   期:2008年4月3日〜6月29日
開館時間:10:00−17:00(入館は16:30まで)
休館日 :月曜日(祝祭日の場合は開館、翌日休館)
入館料 :無料
お問合せ:資生堂アートハウス
        www.shiseido.co.jp/museum/
        電話)0537−23−6122
※小川美術館からの出品はございません。

 

 
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