8月3日から9月2日まで福島県のいわき市立美術館で「美術にみる花火」展が開催され、当館所蔵の有元利夫作品も3点出品されます。
有元利夫は花火をモチーフにした作品をいくつか描いていますが、その中の花火はたいてい筒から吹き上がるシャワー状の花火です。
《花火の日》(1983年)はその中ではちょっと違った花火の絵です。画面には火の花ではなく、淡いピンクの花びらが舞い、人物が月夜を背景に立っています。この絵は、1981年にみた諏訪湖の花火を描いているのではないかと思われます。1981年9月の日記に「100Fに諏訪湖の花火を描いている。」という文章があり、100号の絵で花火を題材にしたものは他に見当たらないからです。それでもこれはあくまでも推定です。
有元利夫は実際に花火を見たことがあります。しかしその絵は花火の体験の記録という印象がない気がします。絵の中で上がった花火がどんな花火なのかを私たちははっきりと見ることが出来ません。各人の記憶と想像が重なり合って、それぞれの「花火」が心に浮かびあがるのではないでしょうか。
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「美術にみる花火−広重から現代まで−」
会場: いわき市立美術館
福島県いわき市平字堂根町4−4
お問い合わせ: tel/0246−25−1111
会期: 2007年8月3日(金)−9月2日(日)
開館時間: 午前9時30分−午後5時
(毎週金曜日は午後8時まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日 : 毎週月曜日
(ただし、8月13日は臨時開館)
観覧料 : 一般940円 高・高専・大生420円
小・中生210円 |
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